「ニホンミツバチの蜂蜜(和蜜)」
日本の在来種『ニホンミツバチ』が集めた蜂蜜を別称『和蜜』とも言います。
市場に出回るほとんどは『セイヨウミツバチ』の養蜂によるいわゆる『洋蜜』ですが、ニホンミツバチはとてもデリケートで、巣に居付かせることが非常に難しく、鈴木養蜂場ではほぼ自然の中で巣営したものから採取しています。
個体数自体が少ないため、二ホンミツバチの蜂蜜は特定期間に咲く花の密のみ集めることができず、おのずと年間に咲く花々の雑蜜(百花蜜)になります。
つまり、セイヨウミツバチは大量飼育が可能なため、季節に咲く花の分別が可能なのに対し、二ホンミツバチはそれができないため自然にブレンドされた蜂蜜は、味や風味や色合いに一層の深みが出ます。
また、季節による様々な花の蜜が集められるため、その色味も一定でなく、比較的濃い色になります。これは偶然性がつくりだすと言ってよいでしょう。
以上が和蜜の特徴です。
しかし、採蜜量が少ないうえに安定しないため、市場にはほとんど出回ることはありません。道の駅などでごく少量に扱われているだけです。国産蜂蜜でもやや高価に感じるのは、需要より供給が極端に少ないためです。
採取地は信州長野の北信地方
日本有数の自然が残る長野県の北信地方は、リンゴやブドウなどの果樹栽培が盛んです。また少し山に入れば手つかずの自然が多く残されています。つまりニホンミツバチにとっては非常に良い環境と言えます。
鈴木養蜂場で販売しているニホンミツバチの蜂蜜は、この豊かな自然の中で咲く様々な花から集められたいわゆる百花蜜になります。
トチやフジやシロツメクサやソバ、そのほか名も知らぬ山野草の蜜がまざり合った信州の香りがそのまま蜂蜜の中に閉じ込められています。
古式養蜂
ニホンミツバチの蜂蜜の採蜜方法は、日本に昔から伝わる『古式養蜂』というやり方です。セイヨウミツバチのように巣箱で飼うことが難しいため遠心分離機を使ってやることができず、巣は細かく砕いて自然にしたたり落ちるものを採蜜します。
ですのでローヤルゼリーやプロポリスの成分なども含まれますので、その栄養価はセイヨウミツバチよりも高いと言えます。
また、天然で採れたままの蜂蜜に手を加えず(濾過のみ)、自然状態で想定できる温度以上で加工しませんので(非加熱)、蜂蜜本来の自然のままの美味しさを味わえます。
結晶化について
純粋な蜂蜜の特徴として結晶化することがあります。
花の種類によっては結晶しにくいものもありますが、基本的にこれは蜂蜜の特質で、どうすることもできません。特に温度差の激しい使い方をすると結晶化しやすいという経験があります。ですので冷蔵庫からの出し入れを頻繁にするのは結晶化を早める原因になります。蜂蜜は常温保存するのがよいでしょう。
しかし結晶しても戻し方があります。フタをゆるめて湯煎します。
やり方はこちらをご覧ください。
もし何年も経っているに関わらずいっこうに結晶しない蜂蜜をお持ちでしたら、それは水あめや砂糖を混ぜた加糖蜂蜜や、人工的に加工した蜂蜜と考えられます。中には「はちみつ」と記載された粗悪なものもあるようなので十分ご注意下さい。
【鈴木養蜂場 二ホンミツバチの蜂蜜】
1個売り
3個売り
5個売り
※100%天然・国産・非加熱・無添加・信州長野の純粋ニホンバチはちみつです。
保存方法について
直射日光を避けて保存して下さい。
冷蔵庫の出し入れ等、温度差が著しい状態ですと結晶(白濁沈殿)の原因となります。常温保存をお勧めします。
特定商法の記載
賞味期限について
蜂蜜は腐らない食品と言われています。従って消費期限はありませんが、企業独自の賞味期限を設け品質の維持に努めています。
鈴木養蜂場では2年とし、これはあくまで採れたての風味を損なわない期限として表記しています。
腐らないとはいえ、やはり時間が経つ変色したり味も落ち、採りたてのものほど風味が豊かで美味しいことに違いありません。
ですので2年という賞味期限を目安にお選びいただくのが良いと考えています。
無添加・無加工・非加熱
鈴木養蜂場の蜂蜜はニホンバチの蜂蜜を含め、すべて100%純粋、100%非加熱、100%無添加の天然にこだわった完熟蜂蜜です。
注意点
蜂蜜は種類を問わず1歳未満の乳児には与えないで下さい。
ごく稀にボツリヌス菌が混じっていることがあり、乳児は腸内環境が未発達のため感染する恐れがあるためです。
2歳以上になると抵抗力ができるため心配ございません。
【雑学】ニホンミツバチの蜂蜜の歴史
現在市場に出回るほとんどの蜂蜜はセイヨウミツバチの養蜂によって採取される蜂蜜で、その始まりは明治時代に入ってからです。
それ以前は、二ホンミツバチによる生産のみで、特に薬として用いられるケースが多かったようです。
その歴史は『日本書紀』にも記されるほど古く、それ以前についての文献がないので不明ですが、世界的に見るならばエジプトや中国などでも食されていたほどですから、おそらく日常的に食されていたと考えても不思議ではありません。
日本において『養蜂』が始まったのは平安時代と考えられています。
江戸時代に入って、儒学者貝原益軒が著して『大和本草』に蜂蜜に関する記述が多く見られ、当時は土佐の和蜜が良品とされています。
西洋の養蜂技術が日本にもたらされてからは、すっかりニホンミツバチは日の目を見なくなりましたが、現在その価値が見直され、今や『幻の蜂蜜』と言われるほど希少価値の高い食品になりました。