いま日本人がもっとも読むべき書
奇譚・古事記 〈上〉〈下〉
日本最古の歴史書を、大胆な発想で現代語訳。
難解な神々の名をルビで読みやすく、物語を面白く。
【あまねく神の物語『おわりに』より】
もし自分を『古事記』に登場させるとしたら、筆者はものを書くことが好きだから『書くや物好きノ神(香久夜母能須伎ノ神)』とでも名乗ろうか。そうやって自分の神の名を考えながら『古事記』と親しむのも楽しかろう。
古事記を彩る主要な神々

イザナギ・イザナミ
日本の国土と日本人を生んだ全ての始祖。

アマテラスオオミカミ
太陽を司る女神。弟の乱暴にひきこもり、世界を暗闇に。

素戔嗚(スサノヲ)
海を司る暴れん坊。ヤマタノオロチ退治の英雄。

アメノウズメ
天の岩戸で舞い、太陽を呼び戻した芸能の女神。

大国主(オオクニヌシ)
出雲の統治者。因幡の白兎を助けた慈悲深き神。

倭建ノ命(ヤマトタケル)
諸国を遠征し、悲劇の最期を遂げた日本最強の英雄。
解説・資料
『古事記』の世界観
上巻 p12掲載
音読み照合表
下巻 p12掲載
大后『石姫』の嫉妬 〈本文抜粋〉
『仁徳天皇』の大后『石姫ノ命』は、それはそれは嫉妬深い女性だった。
天皇に仕える妾(側室)たちを宮の中に入れることさえ許さず、恋の噂を聞けば足を足掻いて(ジタバタさせて)妬んだ。
天皇は高殿にいて、恋い焦がれた『黒姫』が船出する様子を見て歌を詠んだ。
『淤岐幣邇波袁夫泥都羅羅玖久漏邪夜能摩佐豆古和藝毛玖邇幣玖陀良須』
(小舟が連なる沖へ向かって、まつ毛の長い美しい私の妻が国へ帰っていく……)
歌を聞いた大后はひどく忿(おこ)り、船出の場所に人を遣わし、『黒姫』を舟からひっぱり降ろし、国まで歩いて帰らせたと言う。