> ここは下宿屋裾野館『こんな世間に誰がした!?〜の巻』 第1場面〜裾野館入居者募集のお知らせとホームステイ
ここは下宿屋裾野館『こんな世間に誰がした!?〜の巻』 第1場面〜裾野館入居者募集のお知らせとホームステイ
< 登場人物 >

裾野シメジ………快活で明るい女の子。しかし、突拍子もないことをしでかす。
裾野マツタケ……裾野館の大家で未亡人。気性のはっきりした性格。
山田ワラビ………裾野館の住人。大学10年生。
小沢シイタケ(山手タケオ)………わけあって裾野館に居候することになった怪しいオカマ。
松山ツクシ………とんでる女子高生ママ。経済苦で裾野館に住むことになった。
松山コゴミ………ツクシの子ども。小学校1年生。
ブナじいさん……裾野館の近所に住んでいるボケ老人。
パパイヤ…………裾野館にホームステイすることになったインドネシア人。
親分………………バナナ銀行の頭取に雇われた暴力団。
子分………………親分の子分。
外人

《演劇活動をされている方へ》
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第1場面〜裾野館入居者募集のお知らせとホームステイ


・・シーン1・・

舞台   裾野館の外で、マツタケがうろうろしながら「裾野館入居者募集」の貼り紙を貼る場所をさがしている。
マツタケ ここがいいわ。ここにしよ。(壁に貼り)これでよし。(眺める)
舞台   そこへ、近所のブナじいさんがうろうろと歩いてくる。
ブナじい おや、おや、マツタケさん。ご機嫌はいかがかな?
マツタケ あら、ブナじいさん、こんにちは。全く、世の中不景気で困っちゃうわ。
ブナじい なんだい、これは?
マツタケ 入居者募集の貼り紙よ。出る人はいても、入ってくる人がいなくて、うちの家計簿は真っ赤っか。
ブナじい なになに、「入居者求む!ようこそ、ウェルカム……」こんなボロ家なくせに、まだやる気?
マツタケ ブナじいさんがまだ生きてんのと同じよ!確かにうちは、昭和20年創建のボロ家よ。でもね、この条件見てちょうだい。家賃月二万円、敷金礼金なし。いまどき、こんな安いとこないわよ。一部屋六畳で、バス、トイレ、キッチンは共同だけど……。
ブナじい こんなお化け屋敷に住むやつの気がしれねえな。
マツタケ なによ、それ!変な噂、流さないでちょうだい!こんな自由気まま、したい放題の暮らしやすい下宿屋、どこ行ったってないから!うちの住人見れば分かるでしょ。
舞台   ワラビ、紙袋を持って、ポーッと鼻歌を歌いながら登場。
ブナじい 噂をすれば、ほれ……。
マツタケ あっ、ワラビさん、いいところに来たわ。
ワラビ  (貼り紙を見る)マツタケさん、入居者募集ですか?うわあ、楽しみだなあ……。どんなかわい子ちゃんが来るんだろう。えりちえみでしょ、天地真理でしょ、南沙織でしょ……。
ブナじい おまえ、なに時代の人間じゃ。
マツタケ ワラビさん、今月の家賃まだでしょ。
ワラビ  (ポーッとして、しらばっくれて中へ入っていく)
マツタケ ワラビさーん!
ブナじい ありゃだめだ。先天的な痴呆症じゃ……。ありゃ?なんで、わしゃ、こんなところにいるんじゃ?あれ?今日、朝飯食ったっけかな?1足す1は、2か3だったよなあ……。(はける)
マツタケ だめだありゃ……。後天的な痴呆症だ。(裾野館に入ってはける)


・・シーン2・・

舞台   シメジ、英語の本を持って登場。
シメジ  あ〜あ、どうしようかなあ……。お姉ちゃん、ダメって言うよな……。お姉ちゃん、昔っから英語、まるっきり苦手だったからなあ。外人さんが来るって聞いただけで、卒倒しちゃうんじゃないかしら。(机に座って勉強を始める。一方、脇のはがきを気にしながら、なんだか落ち着かない)こうして依頼のはがきも来ちゃったしなあ。あ〜あ、ホームステイなんかに応募しなくちゃよかったかなあ……。
舞台   ワラビ、英語の本を抱えて登場。
ワラビ  あ、あ……、シ、シメジちゃん……。
シメジ  ああ、ワラビさん……。
ワラビ  ここ、座っていいですか?(机に座り、おもむろに英語の本を開く)
二人   (一緒に)ア、アイアム……、ア、ボーイ……。(顔を見合わせる)マイ、ネーム、イズ、ビル……。
シメジ  ワラビさん……?
ワラビ  いやあ……、英語を勉強しようかなあ、なんてね。
シメジ  ええっ!?ワラビさんも?私もね、英語を勉強しはじめたのよ。
ワラビ  ええ?シ、シメジちゃんも?偶然だなあ……。
シメジ  ほんと、偶然ね。テキストもほら、全く同じ。
ワラビ  (わざとらしく)あれ、ほんとだ。こんな偶然て、あるのだろうか……。信じられないなあ。きっと、ボクとシメジちゃんは、遠い昔からめぐり合う運命だったんだ。
シメジ  何言ってんの?
ワラビ  ところで、なんで英語なんかの勉強はじめたの……?
シメジ  ワラビさんこそ。
ワラビ  ボ、ボクはシメジちゃんが……、あ、なんでもないなんでもない。
シメジ  実はね、お姉ちゃんにはまだ内緒なんだけど、ホームステイの外人さんを受け入れたいの。いま、ここの住人さんも少ないし、部屋もたくさん空いているでしょ。もったいないし、せっかく市から募集があったのに、いい機会だと思って。それに外人さんとお友達になれば、海外旅行行っても現地で困らないし、もっと大勢の人とお友達になれるじゃない。シメジね、外国で生活するの夢なの……。
ワラビ  ぐ、偶然……。ボ、ボクもそう思って英語はじめたんだ。その時はこのワラビ、お供させていただきます。
シメジ  そ、そうね……。
舞台   シメジとワラビ、気まずそうに英語の勉強をはじめる。


・・シーン3・・

舞台   ツクシとコゴミ、手をつないで登場。
コゴミ  おかあさま、明日は学校の先生が、家庭訪問に来る日でございます。
ツクシ  そうだったわ。チョベリバ。それまでに、住むところ、決めておかなきゃね。この不景気で、みんな気前悪くてさあ、商売あがったりよ。月十万のマンションも追い出されちゃったしー……。(貼り紙をみつける)ひと・きょ・もの・くれ?あつめ……?
舞台   ワラビ、シメジこける。
コゴミ  おかあさま、それは、“にゅうきょしゃぼしゅう”と書いてあるのでございます。
ツクシ  あ、そゆことね。月二万?安いじゃん。よし、決めた!コゴミ、おいで。(コゴミの手を引き、玄関に来てピンポン鳴らす)
シメジ  あら、お客さん。はーい!(玄関にいく)
ツクシ  ここ、入居者募集って書いてあるけど、ホント?
シメジ  ああ、ちょっと待って下さい。大家、呼びますから……。(呼びにいく)お姉ちゃーん!!
ワラビ  まあ、どうぞ、どうぞ。(中に入れる)
ツクシ  なあに、あんた。ここの住人?ダッサッ。
マツタケ (入り際、シメジに)だあれ?うちに入りたいっていう物好きな人……。(ツクシを見て)お目が高い!さあさあ、ここにサインしてちょうだい。(書類をわたす)
シメジ  お姉ちゃん、少しくらい話を聞かなくていいの?
マツタケ いいの、いいの。家賃さえ払ってくれれば、問題ないじゃない。(ツクシの手元をみて)松山ツクシさん……、いい名前ね。ああ、保証人の欄?書きたくなければ飛ばしていいわよ。それじゃ、ここに印鑑押してくれる?
ツクシ  いけね。印鑑忘れちまった。
マツタケ じゃ、いいわよ、拇印(ぼいん)で。
ツクシ  ボ、ボイン……?(急にそわそわして)ちょっと、あっち向いててくんねえか?(オッパイを出そうとする)
マツタケ ちがうちがう。指に朱肉つけて……、
ツクシ  ああ、そゆこと。びっくりした。
シメジ  ところで、あなたたち、ご両親は?
ツクシ  母親は十年前に死んだわ。父親は母親の話によると、家族を捨てて家を出たっきり……。
マツタケ そう、身寄りがないの。たいへんね……。わかったわ、裾野館に入るといいわ。いろんな人がいるから、楽しいわよ、きっと。
シメジ  坊や……。かわいそうに……。それじゃ、お母さんの顔も知らないんだ……。
コゴミ  知ってるよ。
シメジ  え?あ、そうか、写真があるものね。
コゴミ  写真なんかないよ。おかあさまと撮ったプリクラならあるけど。
ワラビ  プリクラ?十年前にプリクラなんてあったっけ……?
マツタケ 坊や、いいのよ、嘘なんか言わなくて。きっと、母親の愛情に飢えて、夜な夜なお母さんの夢を見るのよ。
(マツタケ、シメジ、ワラビ、泣く)
ワラビ  坊や、くじけるなよ。どんな辛いことがあっても、お姉ちゃんと力を合わせて生きていくんだ!
シメジ  偉いのね、がんばるのよ。
マツタケ (号泣)ごめんね、辛いこと聞いて……。
コゴミ  おかあさま、この人たち、へんでございます。
マツタケ お、おかあさま……?
(マツタケ、シメジ、ワラビ、唖然)
ツクシ  私たち親子。文句ある?って感じ。
(マツタケ、シメジ、ワラビ、こける)
マツタケ あなた、高校生でしょ!?
ツクシ  高校生で親になって悪い?
マツタケ 悪くないけど……。
ツクシ  じゃ、ここに住むことに決まったんだから話は早い。私たちの部屋はどこ?(奥にはける)
コゴミ  おかあさま、よかったですね。明日の家庭訪問は、喫茶店でやらなくてすみますね。(はける)
舞台   ツタケ、後に続いてはける。


・・シーン4・・

舞台   シイタケ登場。後ろ向きに女っぽく歩いて来て、中央で正面を向く。客席から笑いが出たら、「ったく失礼しちゃうわ。私のどこがおかしいのよ!」という。
シイタケ どこかに住むとこないかしら……。(キョロキョロして、貼り紙をみつける)月二万……、ラッキー。(玄関に行ってピンポンならす)
シメジ  あら、またお客さんだわ。はーい、どなたですか?
シイタケ ごめんくださいまし。私をここに住まわせてくれないかしら。
シメジ  ああ、ちょっと待ってて下さい。いま、大家は取込中なもので、呼んできますんで。上がって待ってて下さい、おじさん。
シイタケ おじさん?ちょっとあーた、私のどこがおじさんなの!こんな美貌のオカマをつかまえといて……。ったく!
シメジ  なんだかまた変な人がきたなあ……。(奥へはける)
シイタケ (上がり込んで、ワラビの隣に座る)失礼。
ワラビ  おじさん、ここに住むの?
シイタケ おじさん?お姉さんとお呼び!
ワラビ  どこがお姉さんなの?
シイタケ (ワラビの頭をひっぱたく)ところで、あんた、ここの住人?
ワラビ  そうだよ。十年前からここで、お世話になっている大学生です。
シイタケ ようするに、あんたアホなのね。私もアホがうつらないように気をつけなくちゃ。
マツタケ (登場)ああ、おまたせしました。(書類をだして)ここに、サインと印鑑押してちょうだい。
シイタケ 何も聞かないざますの?
マツタケ いいの、いいの。こういうご時世なんだから。安くて住めれば文句ないでしょ。
シイタケ いかん、印鑑持ってないや。
マツタケ じゃあ、拇印でいいわ。
シイタケ ボイン……?(オッパイを出そうとする)ちょっとあーた、私をオカマと知っての言葉?
マツタケ ちがう、ちがう……。指で……、
シイタケ ああ、指でね……。
マツタケ じゃあ、お部屋に案内しますね。
舞台   マツタケ、シイタケ、奥へ行く。
シメジ  なんだか、変な人ばかり集まるのね。(英語の勉強を始める)
舞台   シメジ、ワラビ、英語をムニャムニャ言っている。


・・シーン5・・

舞台   マツタケ、頭をおさえて、戻ってくる。そして、シメジの隣に座る。
マツタケ ああ、頭がおかしくなりそう……。でも、裾野館の経営を立て直さなきゃ。がんばろ!(シメジをみる)ところであんたたち、何やってんの?
ワラビ  英語の勉強です。
マツタケ え、英語……。や、やめてちょうだい。私ね、英語と聞くだけで、じんましんがでるの。英語さえなかったら、学校の先生にもなれたのに……。グスン……。
シメジ  お姉ちゃん、あのね……。ちょっと、話があるんだけど……。
マツタケ なによ、改まっちゃって。
シメジ  う、うん、実はその……、
マツタケ なんだって!
ワラビ  まだ何も言ってない。
シメジ  実はね、ホームステイで、外人さんを受け入れたいの……。
マツタケ な、な、なんだって!?
シメジ  ほら、今、市で、ホームステイのボランティアの募集があるでしょう。
マツタケ シ、シメジ、まさか、おまえ、応募してないでしょうね。
シメジ  しちゃった……。
マツタケ すぐに取り消しましょ。
シメジ  依頼のハガキ来ちゃった……。
マツタケ 急いで、お断わりの電話をいれなきゃ。
シメジ  もう、来る人も決まったみたい……。
マツタケ ダメよ、絶対ダメ!第一、どこに泊めるのよ。それに日本語も通じない人の面倒を、一体だれがみるのよ!私が英語アレルギーなこと、知ってるでしょ!
シメジ  部屋だったらまだ空き部屋がたくさんあるわ。それに言葉だったら、ほら、いまこうしてワラビさんと勉強しているの。身の周りの面倒なら私がみるわ。
マツタケ ダメよ、ダメ!シメジ、よく考えてみなさい。お金にもならない人を入居させるなんて!それに、文化も生活習慣も宗教も全く違うのよ。ただでさえ、うちは変な住人ばっかり集まっているっていうのに!
ワラビ  ぼくのことかな……?
舞台   シイタケ登場
シイタケ 変な住人……?まさか、私のことじゃないわよね……。ちょっと、お茶をいただこうかしら。(机に座りお茶を入れる)
マツタケ シイタケさん、割とずうずうしいのね。シイタケさんからも何か言ってよ。
シイタケ 話が見えませんわ。
マツタケ あのね、ジメジがホームステイで外人さんを受け入れるっていうのよ。
シメジ  シイタケさん、さっき入居したばかりじゃない!何のことだか分からないわよ!
シイタケ ホームステイですか……。いい話じゃないですか。国際化社会ですもの。日本人だ、アメリカ人だ、白だ黒だオカマだという時代は、すでに終わった。
ワラビ  オカマ……?
シメジ  よくわからないけど、そうよね。ワラビさんも賛成よね。
ワラビ  ぼくはシメジちゃんに賛成。OK!OK!
マツタケ ああ、そうですか、そうですか!そこまで言うんでしたらね、あんたたち勝手にしなさい!だけどね、覚えといて、私は一切関りませんからね!
シメジ  お姉ちゃん……!
シイタケ で、その外人さんとやらは、いついらっしゃるのかしら?
シメジ  今日……。
マツタケ きょ、今日!?シメジ、いったいあんた何考えてんのよ!こんな大事な話、いままで内緒にしてたわけ?やりたいならやりたいと、前もって話してくれればいいじゃない!いったいどうするのよ!準備もなにもしてないのよ!追い返すからね!だいたいうちにはろくな人間が集まらないんだから!
シメジ  お姉ちゃん!
舞台   下手側玄関にスーツケースを持った白人があらわれ、呼び鈴を押す。ピンポーン〜全員玄関に視線を向ける。
マツタケ ああ、どうしよどうしよ……。(そわそわ動きまわる)
外人   ハロー!(戸を開けて玄関に入る)
マツタケ 追い返してやる!
シメジ  お姉ちゃん!
マツタケ (外人の前で仁王立ち〜ポッと顔を赤らめ)いい男……。さっ、どうぞお上がりください。
全員   (こける)
外人   エイゴ、ペラペーラー!
マツタケ ちょっと、シメジ、何か言ってるわよ。(奥にひっこみ、シメジを押し出す)
シメジ  わ、私……?どうしよう……、ワラビさん……。
ワラビ  だいじょうぶ、シメジちゃん。ぼくにまかせて……。(外人の前に行く)
外人   ハーイ。
ワラビ  ハーイ。アイ、アム、ア、ボーイ。デス、イズ、ア、ブック。デス、イズ、ア、ペン……。アー、アー、あの、その……。
シメジ  ワラビさん、どいていて、私が話してみる。(ワラビにかわって)Nice to meet you.My name is Simeji Susono.I expected you at any moment. Please,Please come in.
ワラビ  (手をたたく)シメジちゃん、上手、上手。
外人   (両手を広げ)ホワット?
シメジ  (ゆっくり)Nice to meet you…….
外人   (首をふる)ワカリマセン。
シメジ  ナイス、トゥ、ミーチュー……。Do you understand?
外人   ワカリマセン。
シメジ  どうしよう、私の英語、全然通じない……。あんなに勉強したのに……。
マツタケ 誰かいないの?私お友達になりたい〜ん。だれか、だれか……。
シイタケ (立ち上がる)
シメジ  シイタケさん!
シイタケ まあ、どいつもこいつも情けないわね!外人さんの一人や二人でじたばたして。
(シメジ、ワラビをどかして)私にまかせてちょうだい!
ワラビ  シイタケさん、英語話せるの?
全員   (シイタケに注目)
シイタケ おひけえなすって!ここは裾野館と申すちんけな下宿屋でごぜえやす。あっしも今来たばかりなんですがね。お見うけしたところ、貴殿、ホームステイとやらで来られたご様子。まずは、それがしどもにご要件をお聞かせ頂くのが話の筋というもの。しかれば、貴殿の身の上、あ、包み隠さず、あ、名乗っていただきやしょうか……。かしこ。
全員   (こける)
マツタケ そんなゴッテゴテの日本語……!
外人   オオ!ヨクワカリマス!
全員   (こける)
マツタケ 日本語話せるなら最初から言ってよ。さあ、上がって下さい。
シメジ  お姉ちゃん、いいの?
マツタケ シメジ、あんたも人が悪いわね。こんないい男が来るなら、早く言えばいいのに。
外人   スイマセン、道ヲ聞キタイノデスガ……。ワタシ、松本サンノオ宅ニ、ホームステイスルノデスガ、知ッテマスカ?
マツタケ 松本さんちだったら、このすぐ隣だけど。
外人   アリガトウ。(マツタケに投げキッスをして出ていく)
マツタケ (呆然)シメジ、見た?見た?あの外人さん、私に気があるわ。どうしましょう……。
シメジ  松本さんのお宅も応募したのね。
マツタケ シメジ、うちにはどういう人が来るの?うわあ、楽しみだなあ……。
シメジ  さっきまでは、あんなに反対していたのに……。きっと、ディカ・プリオみたいな人がくるわよ。
マツタケ ディカ・プリオ……。ぐふっ、男なんて……、6年振りか……。
シメジ  じゃあ、お姉ちゃんもホームステイの受け入れに賛成ね。
マツタケ 賛成、賛成、大賛成!
舞台   上半身裸で槍を持った原始人が、ピョンピヨンはねながら登場し、裾野館の玄関に入り込む〜全員注目。
パパイヤ オセワニナリマス!
全員   (こける)
舞台   暗転。